食のプロ同士のコラボを楽しんでもらうために。

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前職時代にシェフ、生産者、消費者と共に開発した「ベジたっぷりスープ」。
牛乳で溶くだけで、家庭でも本格的なスープが出来上がる”スープの素”です。
 
この商品、というか物販に挑戦した目的は、ぎゅっと凝縮すれば1つ。
 
「お客さんに食のプロ同士のコラボを楽しんでもらう」でした。
 
自然と共に一生懸命美味しい野菜を作る農家と、常に美味しい料理を提供するためその腕を磨くシェフがタッグを組んで色々生み出せたら面白いだろうなぁと単純に思っていました。
カップ麺の世界では有名店の味を再現する企画がたくさんありますが、生産者(エリア)とシェフのコラボで、かつ店の味を再現、ではなく「こんなのあったら美味しそう!」という企画から入るスタイルで進めていきました。
 
目的を達するために課した条件は
 
①できるだけ地元農家の野菜、特に規格外野菜を活用する事で農家の生産性を向上させる。
②物販に進出する事で、レストランの生産性を向上させ、シェフの活躍の場を広げる。
③デザイナーなど直接食分野と関係の無い方にも手伝ってもらい、発想豊かに取り組む。
 
の3点です。
 
①②に関しては、せっかく関わるんだから、互いに良い思いもしたいよね!というわかりやすい話なのですが、③はちょっと考えました。
「おしゃれなデザイン」が欲しいというのももちろんあるのですが、そうした「出力」部分もさることながら別分野の方の「思考方法」というのか、アンテナ感というか、そういう目線の「角度」が本事業全体の刺激としてほしかったのです。
 
結果としてはとても良かったと思っています。スープの素なんだけど「生」感のあるビジュアルやプロモーション上のストーリーの見せ方などはもちろん、小規模でスタートする(我々自体が小規模の事業者だったので)物販のノウハウ全体に様々な良い影響を及ぼして頂きました。逆に言うと、小規模だからこそエッジを利かして商売する必要があり、そうしたモノを生み出していくプロセス全体に、そう、マネジメント全体にクリエイティビティを効かす方法を学んだように思います。

 

 

食品加工自体は特に珍しい話ではなく、六次産業化の中でもケースとしてはよくある話だと思います。
ただ、中々小ロッドの加工を行ってくれるところが無い、とか、原材料はあるけどレシピが起こせない(逆もあり)とか、販路を知らない、在庫を抱える余裕も開発にかける金銭的余裕もない、などの理由でたとえやる気があったとしても、小さい規模の生産者やレストランはそうそう挑戦できる環境にありません。もちろん大きなところが大きく仕掛けること自体はとても素晴らしい事です。ただそういう人たちにしか挑戦できない環境のままでOKという事にはならないし、もっと色々美味しいものが生み出される環境があった方が楽しいですよね!
 
というわけで、私は”食品加工”ではなく、どちらかというとそうした挑戦ができやすい環境を整え多くの方に挑戦して頂ける”プラットフォーム作り”に興味があります。もちろん自分が実際に挑戦し課題等を整理しないとそうした環境を提供できませんし、実際商品開発にも興味はありますので、今後も自社プロダクト開発も並行してやっていくと思います。
 
イガクリのこの分野における機能(出来る事)を整理すると
◆クラウドファンディングサービスで資金調達やテストマーケティングの支援
◆試作や小ロッドでの製造をお願いできる事業者とのマッチング。
◆商品(パッケージ含む)企画に対するデザイナーやシェフ(生産者)とのマッチング。
◆現在自社取引のある大手通販会社や百貨店などを販路としてマッチング
となります。
 
まだまだ力不足の面がありますが、少しづつ多くの方の力を借りながら機能充実を図り、お客様に美味しいものを届けながら、シェフや生産者の活躍の場を広げたいと思っています。